【コラム】冷却塔が感染源!レジオネラ菌の隠れ家!

ご存じでしょうか?2023年3月を皮切りに、全国各地で「レジオネラ菌検出」のニュースが報道されています。
冷却塔や温泉施設、旅館業の浴場、温水プール、ジャグジープールなどいろいろな施設が報道されていますが、今回は「冷却塔とレジオネラ属菌の関係」についてご紹介していきます。
■レジオネラ属菌と繁殖環境について
レジオネラ属菌は自然界の土壌などに生息しているので、土埃や砂塵と共に冷却塔に入り込む可能性があります。さらに、冷却塔は構造的にレジオネラ属菌が繁殖しやすい環境なのです。
※「レジオネラ属菌とは」
冷却塔の壁面や冷却水が通る配管内では、レジオネラ属菌の寄生先のバイオフィルム(スライムとも呼ばれている)という藻や微生物が作るヌルヌルの汚れが発生しています。レジオネラ属菌の発育温度については36℃前後と言われており、冷却塔の水温は一般的に10~40℃なので、レジオネラ属菌にとって快適な水温の中で生きていると言えるのです。
亜熱帯の沖縄県では年中水温が温かい状態なので、レジオネラ属菌が繁殖しやすい環境がものすごく整っていると考えることができます。
※「冷却水とは」
ここまでで冷却塔は構造的にレジオネラ属菌が繁殖しやすい環境ということがわかっていただけたと思います。同時に冷却塔はエアロゾルが発生してしまう構造でもあり、レジオネラ症の “感染源となりやすい場所” でもあるのです。
レジオネラ症とは、レジオネラ属菌に感染してしまうと感染症法上の4類感染症に分類される感染症です。
全身倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状に始まり、咳や38℃以上の高熱、寒気、胸痛、呼吸困難が見られる感染症です。
免疫が低下している人や高齢者、がん患者や糖尿病患者は症状が悪化する危険性が高いと言われています。
■対策はどうすればいいの?
レジオネラ属菌対策として、①と②を考えることができます。
① 物理清掃
冷却塔の下部水槽や充填材などに付着している汚れやバイオフィルムをデッキブラシやジェット洗浄によって物理的に清掃します。
同時に水の入れ替えを行いましょう。清掃頻度は汚れの程度に応じて行ないますが、毎月1回程度が一般的と言われています。
② 化学洗浄
物理的な清掃が行き届かない機器や配管の内部にも、バイオフィルムが付着している可能性が非常に高く、
このバイオフィルムを取り除くために、化学的な洗浄を行います。
洗浄のタイミングとしては、冷却塔の運転が始まる前後や、またレジオネラ属菌数が基準値以上検出された場合などに化学洗浄が必要になります。
バイオフィルムをきちんと取り除くことは、レジオネラ属菌の「発生」と「増殖」を防ぐ上でとても重要です。
そして、化学洗浄はバイオフィルムを取り除くことに加えて、その後の抗レジオネラ薬剤の効果UPも期待することができます。
■御社の管理する冷却塔の状況はどうですか?
「建築物における衛生的環境の確保に関する法律等関係法令」では下記のように記されています。(一部抜粋)
建築物における衛生的環境の確保に関する法律等関係法令
(空気調和設備に関する衛生上必要な措置)
第3条の18 令第二条第一号 ニに規定する措置は、次の各号に掲げるものとする。
二 冷却塔及び冷却水について、当該冷却塔の使用開始時及び使用を開始した後、一月以内ごとに一回、定期に、その汚れの状況を点検し、
必要に応じ、その清掃及び換水等を行うこと。ただし、一月を超える期間使用しない冷却塔に係る当該使用しない期間においては、この限りでない。
五 冷却塔、冷却水の水管及び加湿装置の清掃を、それぞれ一年以内ごとに一回、定期に、行うこと
冷却塔の管理やレジオネラ属菌の有無を把握するためにも「定期的な検査」と「継続的な殺菌」で冷却塔の安全な運転をオススメしています。
当社は薬剤の販売、軟水器やろ過器等の水処理装置について沖縄県内で多数取り扱いがありますので、ご相談やお見積もりをご希望の場合、見積依頼書を作成の上、メール又は FAX にてお送りください。またはサイト内のお問い合わせフォームより問い合わせをお願いいたします。